中国・上海で行なわれた第一回中国国際輸入博覧会について

執筆者: 利墨(上海)商務信息咨詢有限公司 副総経理 河原吉虎2019/01/21

今回はこの11月に上海で開催された第一回中国国際輸入博覧会をご紹介します。

「第1回 中国国際輸入博覧会(CIIE2018)」https://www.ciie.org/zbh/

中国上海で11月5日から10日までの期間、今年始めて開催された国家級の展示イベント「中国国際輸入博覧会」、英文名称は「China International Import Expo」の頭文字をとって、「CIIE2018」と称されます。博覧会開催以前から上海市内では空港、地下鉄駅など市内のいたるところで告知しているのを見かけました。

画像1(筆者が上海市内、駅構内で撮影)

市内の商業ビルも外観ごと、輸入博覧会の告知をしています。このパンダがマスコットキャラクターで、中国の宝であるパンダを用いて、名前は「進宝」といいます。

画像2(筆者が上海市内で撮影)

我々の世代は教科書で「世界の工場・中国」と習いましたが、経済規模も大きくなり、アメリカとの貿易摩擦の問題を抱える中国が、世界の工場から市場に変容することを国内外にアピールする目的があるといわれています。

国として肝いりのイベントかを表すものとして、開催日初日二日目11/5、11/6は平日なのですが、上海市内の公的機関、学校を休日にする。(代わりに前後の土曜日曜の11/3と11/11を振替出勤日にする。)という通達がありました。我々のような在上海の日系企業も含めて民間企業にもこの変則的な出勤日に対応するか、それとも従来通りの出勤日とするか選択が必要となりました。特に学校に通うお子さんをお持ちの従業員が多い会社においては変則休日に対応せざるを得ない状況でした。また、博覧会に記念した切手が発行されました。テレビでも国営放送や上海の放送局で博覧会前や博覧会開催日には特番を組んで放送しています。この博覧会を中国において認知度を高めよう、あるいは博覧会の運営をスムーズに行なおうという意図が見えます。

博覧会初日の開幕式には、習近平国家主席も参加し、基調演説で「革新的・包摂的な開放型世界経済の共同建設」をうたい、今後15年間の中国の輸入額が40兆ドル(約4500兆円)を超えると予想を示し、中国市場の開放を強調しました。

記事によれば、この第一回輸入博覧会での商談の成約見込み額が78億3,000万ドルに上ったとのこと。(ジェトロより https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/11/7c2eaf00fdb2561d.html

画像3

テレビやWEB上でも、連日のようにどの国のどの企業といくらの契約を結んだなどと流していました。

画像4(テレビ映像 上海広播電視台 上海新闻综合频道より)

この輸入博覧会には世界約170の国・地域から3,600社超が参加しており、うち日本は最多の約470社が出展しました。ジェトロ(日本貿易振興機構)が中心となり日系企業の出展をとりまとめています。

画像5

画像6(ジェトロのお知らせより
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2018/1debbd9a596016a4.html

日系企業のブースで人気だったのがオムロン社の卓球ロボットです。

画像7(twitterより @Tech_OMRON)

日本以外のブースでも、空飛ぶ車や、イタリア社の32億円のヘリコプター、化粧ロボット、透明テレビなど世界中の企業の先進的な技術を含めた製品、サービスが展示されていました。

画像8(テレビ映像 中国中央电视台 CCTVより)

博覧会会場の外でもこの博覧会に合わせて、電気自動車タクシーが導入されたり、電気バスが導入され、街なかで見かけることができます。

画像9(左 テレビ映像 上海东方广播电台 より、右 筆者が上海市内で撮影)

この国際輸入博覧会ですが、早くも来年の同時期11月に第二回目の開催が決まっており、来年もより多くの日系企業が出展するものと思います。我々のビジネスは、日系企業を中心とした中国企業との取引や中国でのビジネス展開を支援させていただくことですので、こうした取り組みは我々にとってもビジネスチャンスとなります。

以上

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