中国で流行りつつある自転車シェア・アプリ

執筆者: 利墨(上海)商務信息咨詢有限公司 副総経理 有井次郎2016/07/20

今回ご紹介するのは、中国の自転車シェア・アプリ「mobike/膜拝単車」です。上海Uberの社長だった王氏が創業し、16年4月から上海で開始したこのサービスは、瞬く間に利用者が増加しています。
 中国の都市部では、通勤時間帯にタクシーを捕まえることが困難であり、バスを利用した場合も目的地から少し離れた場所に到着するため、やや不便です。「Mobike」を使えば、近くにある自転車に乗り、どこで乗り捨てても良いため、目的地付近まで移動することができます。また、自転車のデザインもお洒落で、健康志向の若者を中心に人気となっています。

Mobikeイメージ画像

Mobike(膜拝単車)の特徴

利用者が増加している理由を含めて、このアプリの主な特徴は以下5点です。

・自宅やオフィス、飲食店付近に多くある(16年6月末時点で上海に1万台以上)。
・どこで乗り捨ててもOK(ただし、歩道の自転車置き場のみ)。
・料金は30分でたったの1元(約16円)。
・自転車検索や予約、自転車の鍵解除、支払いは全てスマホアプリを使い、非常にスピーディ。
・利用者毎に信用ポイントがあり、マナー違反者にはペナルティがある。

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日本と違う点

日本でも自転車シェアサービスに力を入れている自治体や企業がありますが、あまり普及していないようです。上記5点の特徴以外で、日本と大きな違いがあるのが「決済方法」です。Alipayや微信WebChatマネーが少額決済として利用でき、ワンクリックでの支払いが可能です。クレジットカード番号の入力のような煩雑な作業が不要です。また、初期に必要なデポジット(300元/約4,800円)の返却も簡単でスピーディです。

※中国の電子決済については、「中国における電子決済」(2015年5月20日掲載)をご覧ください。

信用ポイント制度

利用者のルール順守をさせる仕組みとして、信用ポイント制度があるのは中国特有です。マンション内や路上の違法駐車は禁止されており、ルール違反すると、利用者の信用ポイントがマイナスされます。初期は100ポイントある信用ポイントが、ルール違反により、80ポイントを下回ると利用料金が5倍の5元/30分となります。また、ポイントが無くなると利用不可になります。

ポイント例

【減少】 マンション敷地内に停車 ▲20ポイント
違法停車し警察に捕まった ▲50ポイント
鍵を忘れた ▲20ポイント
【増加】 自転車利用、故障車を報告、他ユーザーの不正駐車を報告 全て+1ポイント

駐在員にとっては、自転車という新たな移動手段が増え、登録も簡単で、非常に便利ですので、上海で生活されている方は是非一度お試しください。

以上

※ 参考サイト:mobike HP
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