中国での知識シェアリングについて

執筆者: 利墨(上海)商務信息咨詢有限公司 副総経理 河原吉虎2017/06/07

中国では、自転車などのシェアリングサービスが盛んです。(以前のコラムで紹介)
ライドシェア自転車サービス全体の利用登録ユーザー数は2017年末には5000万人を超えると言われています。※1
 また、中国では現金レス化が進んでいます。(こちらも以前のコラムで紹介)
もはや「支付宝Alipay」か「微信支付(WeChatPay)」が無ければ生活していけないと言っても過言ではありません。中国北京のコンビニエンスストアの決済手段として現金支払いが11%だけに対して、AlipayとWeChatPayのQRコードでの支払いが67%にも達するというデータもあります。※2
 私が生活していても、コンビニ・飲食店・ECサイトはもちろんですが、公共料金、地下鉄、フード屋台、美容院、クリーニング店、割り勘支払いでの個人間のやりとりなどなど、なんでも電子決済で行い、現金を使う機会がほとんどありません。
 さて今回は、知識・技能・体験をシェアし、そのシェアされた情報を有料でオンライン決済するサービスを紹介します。

中国での知識・技能の共有市場

中国での2016 年の知識・技能分野の市場取引額は前年比205%増の610億人民元(約1兆円 ※3)、利用者数は約3億人となっています。※4
 QAサイトをナレッジシェアのプラットフォーム上に構築して、様々な「知識」を共有しています。
 また、ライブ動画中継分野も急成長しており、中国での2016年の市場取引規模は350億人民元(約5,780億円 ※3)、利用者数は2億人となっています。※4
 代表的なサービスを紹介します。

QAサイト Zhihu(知乎)https://www.zhihu.com/lives/

まず、中国のQAサイトの知乎(Zhihu)のサービスで、利用者がトピックスのエキスパートとやり取りできる有料サービス Zhihu Liveを紹介します。

<知乎Liveサービス画面 PC版>
知乎Liveサービス画面 PC版

PC版とスマホアプリ版があり、興味のあるトピックスを選択して、電子決済するだけで利用できます。決済手段はスマホアプリではアプリ内課金(iOSの場合はApple決済)、PCの場合は微信での支払いです。テーマは学問、文学、音楽、IT技術など多岐に渡っています。紹介内容のみならず利用者数や評価点も表示されるので、そこを確認して利用開始します。

<知乎Liveトピックス事例 スマホ版>

知乎Liveトピックス事例 スマホ版1

知乎Liveトピックス事例 スマホ版2

上記トピックスの事例はアメリカのタクシー配車サービスUberで働くUXデザイナーが、Uberで求められることやUberの仕事内容などを紹介しているものです。実際のコンテンツを紹介します。

<知乎Liveトピックス事例 課金後の画面 スマホ版>

知乎Liveトピックス事例 課金後の画面 スマホ版1

知乎Liveトピックス事例 課金後の画面 スマホ版2

このようにチャット形式でテキスト、音声、画像を用いて、説明しています。

ライブ動画配信サービス DOUYU(斗魚)https://www.douyu.com/

続いて、日本のニコニコ動画の生放送のように、中国でのネットライブ中継サービスの斗魚(Douyu)を紹介します。このサービスはゲーム実況や女性との雑談部屋が主なコンテンツですが、IT技術や料理、語学などのナレッジコンテンツもあります。

<斗魚サービス画面>
斗魚サービス画面

斗魚サービス画面

上記コンテンツはプログラム言語Javaについて、コーディング画面を共有しながら講師が音声で解説しているものです。

ナレッジ共有の分野は、新しいサービスプラットフォームが毎月のように出てきて、シェアされる知識の種類も広がっています。

以上

※1 ニューズウィーク日本版 「自転車シェアリング--放置か、法治か?」

※2China Channel 「WeChat;Key Trends Report 2017」

※3 (1人民元=16.5日本円)
※4 中国・国家情報センター「中国共有経済発展報告2017」
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